それにしても暑い。
「夏は暑いものだから当たり前のことを言うな」と言われても暑いものは暑いのである。
むしろ声を大にして言いたいことは言うべきである。
暑い!!
小生、普段からロードバイクで50kmほど走るので炎天下の運動には慣れていたつもりであったが、今年の沖堤の暑さは堪えた。
先日、久々に10時から和田防に渡ったがさすがに万全の熱中症対策で臨んだ。
というのも、その前のみなとこうべ花火大会の日に通しで釣り↓をした折、深夜にも関わらず危うく熱中症になりかけたからである。
ちなみに記事の中身には関係がなかったので熱中症のくだりは書いておらぬ。
「深夜の沖堤で熱中症?」と不思議に思われるかもしれぬが、小生も同じである。全く持って予想しておらなんだ。
当日は珍しいくらいの無風であり、0時を回って朝までそよ風も吹かなんだ。
体感温度ではあるが30度を軽く超えたままであったと思う。
0時頃になっても汗が全く止まらず「少々まずいな」と思いだしたのが1時頃であった。
とうとう頭痛がしだした頃、ちょうど潮止まりの時刻でもあったので潔く仮眠をとろうと波止に寝転がったのが正解であった。
昼間はあんなに熱くなっているコンクリのケーソンが、夜はひんやりとして気持ちがいいのである。
全身に籠った熱を全部吸い取ってくれるかのような心地よさであった。
これでなんとか持ち直し、朝を無事迎えることができた。
深夜でさえ場合によってはこんなことになるのである。
昼間の沖堤ならば当然ながらお天道様が頭上で頑張っておられ、それから隠れる場所もなければ自動販売機なんて便利なものもない。
身を守るものは事前に準備してきたものだけになるのである。
誰も助けてくれぬ。
自分の身は自分で守るしかないのだ。
という訳で前口上が長くなってしまったが今回は沖堤での熱中症対策である。
「もう8月も終わりだぞ」という声が聞こえてきそうだが、9月だって暑いのである。
まだまだ対策は必要であろう。
さて、その8月も終わりの沖提、どれぐらいの日差しかというと
行きはこんなに白くてまるでカモシカのようだった小生の足が
帰りの時分には、船に上げられたキンメダイの腹ように赤くなってしまうぐらいの日差しである。
こんな沖提に対策も無しに臨むには自殺行為であろう。
熱中症対策には2種類ある。
物理的に太陽光線を防ぐ方法と体内環境を整える方法である。
その考え方を元にして小生が夏場の沖提に必ず持ち込むものが7つある。
・サファリハット
・手ぬぐい
・機能性シャツとスパッツ
・冷えピタ熱さまシート
・水4ℓ
・ロードバイク用水筒
・塩分タブレット
以上は釣具を忘れたとしても絶対に持っていくものである。
もし現地で忘れたことに気づけば、間違いなく次の便で帰るレベルの物たちだ。
それぞれの根拠を以下に示そう。
まずは物理的に太陽光を防ぐためのグッズである。
・サファリハット
要はこのようにつばがグルリと360度に渡ってついているハットであればなんでもよい。
真夏の沖堤ではいわゆる野球帽型のキャップやテニスなどに使うサンバイザー型ハットは役に立たぬ。
熱中症を防ぐためにはまず首筋を冷やす必要がある。
特に釣りの場合は水面を見る関係上、俯き加減になる場合が多くどうしても首筋が露出してしまう。
その首筋を守るためにもサファリハットが有効なのだ。
ちなみに
このように後ろに日差し除けが付いているハットもあるが、風通しが悪いうえに電車釣行では非常に格好が悪いので小生は好かぬ。
・手ぬぐい
汚れた手をふいたり魚を掴む用途に使用するのではない。
首に巻くために使用するものである。
サファリハットと同様首筋を守るために使用するが、価格や速乾性、入手のしやすさを考えると手ぬぐいに落ち着いた。
最近は百均にも売っているので便利になったものである。
ちなみに手ぬぐいをバカにすることなかれ。後述する冷えピタや熱さまシートとのコラボですさまじい威力を発揮するのである。
・機能性シャツとスパッツ
少々お高いが価格に見合う価値はある。
汗をかくとそれを吸収して気化し、その気化の折に体温も放出してくれるという機能はよく知られたところであるが、これが予想以上に涼しいのである。
半袖シャツや短パンで腕や足を外気にさらしているよりは間違いなく涼しい。
小生の場合、両方を沖提まで持っていきその場の風の強さ、気温、体調などで着るかどうか判断する。
シャツはほぼ着る判断になるのだが、スパッツは半々ぐらいか。
ケーソン上で膝をつくケースが多いため膝が破れやすいのである。これをクリアできるのであれば毎回着るのであるが…。
小生は垂水のアウトレットで数セット揃えた。
Amazonよりも若干安かったのが大きな理由だが、体にピタッと合うサイズでないと意味がないためできれば試着することをお勧めする。
ちなみに…
真夏の沖堤に限って言えば、ユ〇クロやジーユ〇で売っている機能性商品はスペック不足である。
おそらく街中で着ることを想定しておられるのであろう、灼熱の沖堤では気化が追い付かないようであるのと体へのピッタリ感が若干緩い。
お次は体内環境を整える物品である。
・冷えピタ熱さまシート
冷えピタでも熱さまシートでもどちらでもよろし。
これを首筋の両側、頸動脈がある場所に貼って手ぬぐいで保護しておくのである。
手ぬぐいが保冷の補助やズレの防止にもなるのか、この手のシートとは相性が良いようである。
当然ながら生きている以上は体内を血が巡っておる。
その血を効率的に冷却すれば体全体の体温が下がるという単純な発想である。
冷やす場所は体の末端では意味がない。血管が細すぎるのだ。
理想的なのは脇の下か首筋のように太い血管が走っている場所になる。
脇の下は腋毛ジャングルなため貼り付けには適さぬ。
よって首筋両側の頸動脈を冷やすのが一番という結論になった。
ただ、気を付けぬとシートを貼った場所だけが白いままでその周りが日焼けするという悲惨なことにもなりかねない。
貼る場所はきちんと手ぬぐいで保護しておくべし。
ジャングルをお手入れされているご婦人方は脇の下でもよろしかろう。
貼った効果は絶大である。
明らかに体の熱さが違う。
騙されたと思って一度試してみてほしい。
・水4ℓ
沖堤とは本来防波堤の役目を担っており、世の釣り天狗達を喜ばせるために存在している訳ではない。
当然ながらコンビニも無ければ自動販売機もないし、水道すらない。
命の要である水分は持ち込む他ないのである。
小生の場合、4時間ごとに2ℓ消費することを目安に持ち込むのであるが、そもそもペットボトル1本は完全に凍らせてクーラーの保冷剤としての任務を与えているため最低4ℓからのスタートとなる。
少なくとも8時間をカバーできる計算だ。
氷ではなく飲料としての水分を考えた場合、ポカリスェットやアクエリアスも候補に挙がるが小生には少々濃すぎる。
そもそも汗の主原料は血液中の水分とミネラルである。血管を流れる血から水分が汗腺より体外に排出され、その気化熱をもって体温を下げようと体は頑張る。
その水分が排出される折に塩分やミネラル成分も同時に排出されるゆえに、汗はしょっぱい味がするし、熱中症予防には水分とともに塩分の摂取も必要と言われるのである。
当然、水分が排出されたあとの血液は濃くなってしまっており通常どおりの機能を果たせなくなってしまう。運動=水分補給の図式は正しいのである。
さて、この水分。詳細は専門的なブログが多々あるのでそちらに譲るが、多少の糖分がないと体内に吸収されにくい。
このためポカリスェットやアクエリアスにもそれなりの糖分が含まれている。
これがどうも小生には濃すぎるのだ。
ロードバイクに乗る際も当然ながら水分を携行するが、小生はアクエリアスを水で3倍に割って携行する。
通常であれば非常に薄味であるし、開発された人からすれば「何をバカなことを」と言われそうなのだが、炎天下の運動中はこれが丁度よい。
医学的な根拠は素人ゆえ分からぬが、ここ5年ほどはこの薄さで夏を乗り切れている。
おそらく人によって好みがあろうからご自分で丁度良いころ合いを探されるのも面白いのではないか。
ちなみに電車釣行の場合、和田防へは神戸駅を利用するのであるが、改札内側のセブンイレブンに2ℓサイズのペットボトルは販売されていない。
ただ改札を出て左手のセブンイレブンでは販売されている。
1本100円でキンキンに冷えておる。冷えてはいるが当然氷ってはいないので氷の代用をさせる場合は家から持っていく必要がある。
いずれにせよ簡単に手に入るのは素晴らしい。ありがたや。
・ロードバイク用水筒
なんで?とお思いだろうが、いくら水分を持って行ってもそれを細目に摂取しないと意味がないのである。
2ℓのペットボトルを持ち歩きながら釣るなんてことはとてもじゃないが現実的ではないので、これを移し替える小型水筒が必要になる。
クーラーに入っている方はキンキンに冷えておるので、移し替える水筒自体は保冷力よりも軽さを求める。
小生がロードバイク乗りなためこういった水筒を推薦しておるが、要はかさばらなければそれでよいのだ。
ちなみにキャメルバックは吸い口の構造が秀逸である。
差し餌等で手が汚れていてもキャップを開ける必要がないためいつも綺麗な状態で水分補給できる。
小生はずっと愛用しておったが、先日和田防に乗り移る時に海に落としてしもうた。
mont-bellでも販売しているのでこれまた垂水のアウトレットで再購入する予定である。
・塩分タブレット
味はなんでもよろし。
なぜだかAmazonは少々高い。町の大型薬局やスーパーで200円弱で売っているはずである。
もしかしたらサイズが違うのかしらん。
水分の項で詳しく述べてしまったが、水分だけとっていても熱中症対策にはならぬ。
必ず塩分・ミネラルの補給も必要になる。
大した荷物にもならぬので5粒ほどポケットに忍ばせておこう。
以上が小生の熱中症対策である。
これでも昼間で無風であれば厳しいやもしれぬ。
万全の装備で臨んだとしても熱中症の兆候がみえ始めた場合は無理せず釣行終了も視野に入れる方がよかろう。
命あっての物種である。
あくまで和田防や垂水一文字が主体であるので、他の沖堤や磯では別の対策が必要になるやもしれぬ。