コウイカの泳がせで狙うブリの引きが忘れられない。
そりゃ90cmのブリを釣ってしまったら、「おかわり頂戴」となるのが人情であろう。
という訳で二匹目のドジョウを狙うべく、海蓮丸船長に電話。
「あ~、もしもし、来週の日曜…」
「爆釣ですよ~!!もうシーズン始まってまっせ~!」
狙い物を伝える前からの爆釣宣言である。
ただ、明らかにノリがおかしい。
青物の話ではないような気がする。
「爆釣って何が爆釣ですのん」
「フグですよ、フグ~!!」
あ~、ショウサイフグか…去年の冬に一度チャレンジしたことはあるんだが、アタリが遠くて小さいのが2匹だけだったんだよなぁ…。
「ビッグベイト便は出てないんすかね?」
「あ~すんません、もういっぱいやわ」
「そうかぁ、じゃぁフグでお願いします」
とかなり消極的な感じでフグ釣りに決定。
このフグ釣り、いわゆる「カットウ釣り」である。
ただ、このエサはあくまで誘い用。3本イカリや4本イカリを下にブラ下げて、アタリがあればその下針で引っかけて釣る、「引っかけ釣り」の1種になる。
年配の方なら分かるやもしれぬが、仕掛け的には鮎の「コロガシ釣り」、理屈的にはカワハギの「ハゲ掛け」が近い感じであろうか。
ともあれ、
オーナーからこのような仕掛けセットが発売されているので、これを持っていけば間違いない。
オモリは標準で30号であるが、
こういった30号をひとつだけ付けてもいいし、10号を色違いで3つ付ける方法もある。
最近は10号×3つが流行りだそうで、小生もそれに倣った。
ちなみにロッドはカワハギ竿を、リールは日本海のオモリグで使っていたPE0.8号を巻いたカウンター付リールを流用。
という訳で新規購入は仕掛けのみ。
あら、お安い。さて当日、明石浦を出て二見方面へ。小一時間ほど走るので結構な距離である。
水深はわずかに20m前後なので30号でも底は容易に取れる。
ちなみにこの「カットウ釣り」、竿先にアタリが出ないこともあるらしい。
チラシ針に引っかけてあるエビをフグが突いてるだけ、というのが多く、その感触が竿先まで伝わってこないのだ。
ではどうするか。
「タイム釣り」という釣法で対応する。
つまり「アタリがあろうとなかろうと一定間隔で合わせる」のである。
つまりつまり「アタリはないけど、フグが仕掛けの側まで来てる想定であわよくば引っかけたるけん、覚悟しときんしゃい」という運任せな釣法。
う~ん、これが小生の性に合わない。
まるでゲーム性がないのだ。
タコエギにしろタチウオテンヤにしろジギングにしろノマセにしろ、戦略があってこその釣りである。
運に釣果を任せるなんて釣りはまったくもって面白くない。
という訳で、小生は早々にタイム釣りを放棄。
あくまでアタリがあった場合のみ合わせるという、ある意味潔のよい、人から見ると「バカなんじゃないの」と言われそうな一人ルールを設定する。
他の釣り人が2~3秒くらいで合わせを入れているのに対して、小生のみが黙々と竿先を見つめる。
これは一人ボーズかもしれんなぁ、と半分思っていたが、意外や意外、しっかりと「ガガガッ!!」とアタリが出てくれる。
始めこそ慌ててしまって合わせ損ねていたが、アタリが頻発してくれるおかげですぐに慣れ、1時間もたたずに
小さい方はともかく、大きい方は竿を大きく曲げてくれて釣り味抜群である。
その後もひたすらアタリのみを合わせ続け
なぁんだ、タイム釣りなんかしなくてもちゃんと釣れるじゃないか。
それどころか、アタリがあれば即合わせが必要なので、タチウオみたいで面白い。
この中から捌いても身が残らないような小型と、見分けがつきにくいナシフグはリリースされ
海蓮丸では上の写真のように毒を持つ部分をしっかり除いた状態で返してくれるので帰ってから捌く手間が省けて非常にラクちんである。
ちなみに当日の竿頭は18匹。
おそらくトモに陣取った御仁だったと思うが、竿先から鋭い目線を終始はずしておられなかったので、おそらく細かいアタリも全て拾っておられたのであろう。
「タイム釣り」なんてしなくても、きっちりゲーム性のある釣りを展開できるカットウ釣り、釣り物が少ない冬の救世主になりえる釣りである。
あ、この釣りの良いところがもうひとつ。
タコ、ハマチ、タチウオに飽き気味だった細君と娘も「美味しい美味しい」を連呼しておった。
いつもなら「バカみたいに釣りばっかり行かなくていいのよ」とおっしゃる細君だが、「フグ釣りなら行ってらっしゃい」と送り出してくれる。
ああ、なんと有難い魚であろうか。
さて、次回もタイム釣り封印で頑張ってみよう。
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