新しい釣りを始めようと思って初めにぶつかる壁が道具の知識。
ネットを見れば先人達が色々な情報を提供してくれているが、そもそも玄人の情報なので初心者にとっての最低限必要な道具が分かりにくい。
今回はタチウオテンヤ未経験の小生が実際に乗合船に乗ってみて、「これは必要!!」「これはいらねぇんじゃね」という実際の体験談を披露したいと思う。
さて、先日、須磨の純栄丸さんで初めてのタチウオテンヤに挑戦した訳だが、
悪運+中乗りさんのおかげで竿頭デビューすることができた。
タチウオテンヤの道具立ては非常にシンプルで、竿とリールとテンヤだけでタチウオを釣っていく。
極端にいうとその3つがあれば釣りは成立するのだが、そんな簡単な話であれば誰も苦労しない。
実際はそれぞれタチウオに合わせた道具がある。
実際に小生が使った竿とリールは以下の2セット。
こちらは専用竿+カウンター付きリール。
ともに数か月前からヤフオク・メルカリをチェックしまくり、格安にて手に入れた品である。
もう1セットは
こちらは完全にタコエギまんまの流用である。
①竿
お金がある人は専用竿を買うべし。
そりゃもう「専用」と謳うぐらいなのだから誰が使っても最低限の仕事はしてくれるはずなのである。
しかし、「続けるかどうかわからん釣りにいきなり大金は無理」という御仁は代用竿でもOK。
上記のとおり「タコエギロッド」も使用したが問題なく釣ることができた。
というか、初心者の小生にとっては専用竿とタコエギロッドの違いがよく分からん。
もはやタコエギロッドに太刀魚と書かれていても全く気付かないレベルである。
もっと言うと40号程度のカワハギロッドでもタコは釣れるので
タコエギロッドでタチウオが釣れるのならカワハギロッドだって使えるはずなのである。たぶん…。
竿についてはそのレベルでもOK。
40号が背負えて、先調子寄りであればなんでも使えるのではないかと思う。
実際には「掛け調子」「乗せ調子」とか個人の好みとか色々あるらしいので、まずはタチウオテンヤを体験してみてから自分の好きな竿を購入するとよろしかろう。
長さについては船上での取り回しの都合があるので1.8~2mぐらいがベストではないかと思う。
②リール
もうこれは単純明快。
できることならば電動リール、最低でもカウンター付きが必要である。
そしてPE2号が200m以上巻けるキャパを備えたもの。
小生が純栄丸さんに乗った日は須磨沖水深60~70mのポイント。
船長の巻き上げ指示があった時はもちろんのこと、何かしら違和感があった場合は釣れていない時でもテンヤのチェックが必要になるため意外と巻き上げの頻度は高い。
1日に20回巻き上げたとして65m×20回=1,300m…キロオーバーである。
翌日は筋肉痛どころか若干手が震えて何かの中毒かと思われるほどにはなる。
アラフォーになり体力の限界を日々感じるお年頃、素直に電動リールのお世話になるべきレベル。
ではなぜ最低でもカウンター付きなのか。
まず、タコやガシラとは違い、船長の指示棚を攻める必要があるのと、2枚潮や大潮などで必要以上にラインが出ていることを正確な数値で把握するためである。
特に後者。
初心者ゆえにテンヤの動きを全く把握できない以上、ラインがどんな動きをしているかを予測できるのはラインの放出量を知る以外にない。
PEラインに付いた色で把握することもできるが、実際の釣りになるとそこばかり注視する訳にもいかず、なおかつどうしても10m単位の大雑把な把握しかできなくなってしまう。
(通常は10mおきに色が変わり、かつ1mごとに区切りが付いていることが多いと思うが、細かい区切りなど数えてられないのだ)
という訳で最低でもカウンター付き。
ラインについてはPE2号で問題ない。
というか、ガシラもタコもPE2号でいけるので明石界隈ではほぼ1年間通しで使えることになる。
あら経済的。
問題は長さである。
意外と多かったのが「高切れ」。
タコ釣りではペラにでも巻かれない限りは滅多に高切れなどしないが、タチウオが掛かったままオマツリした際に鋭い歯でスパッとやられてしまう。
また底ではなく中層を狙うだけに夏の2枚潮の影響を受けやすく、単純にオマツリの頻度が高い。
最悪100mほどはPEを失う準備をしておいた方が無難なのだ。
同じ理由でリーダーも太いものが必要。
小生の場合、タコ釣りはフロロ8号を使っていたが、タチウオの場合は引っ張り強度というよりも歯の鋭さ対策になるので14~16号あたりを使う。
8号の先に14~16号を足してもOK。
オカッパリでよく使うワイヤーリーダーはオマツリの際にPEを傷つけるため使用不可の船も多いので要注意。
もし電動ではなくカウンター付きで収めようとするならば
このあたりがオススメになる。
もしタコ釣りにも使うならよりドラグパワーがあるバルケッタが筆頭候補になるか。
タコ釣りではドラグ10kgオーバーもあるようなリールが主流であるが、正直オーバースペックと思う。
しっかりスプールの操作ができれば5~6kgのドラグパワーでも十分である。
タチウオについてももちろん問題なし。
③テンヤ
これは初心者の場合はなんでもよろし。
釣具屋に所狭しと並んでいるので懐と相談してくだされ。
タコエギほどカラーバリエーションがある訳でもないので乗る船指定の号数であればOK。
個数は4つあればとりあえず大丈夫と思われる。
30~50号が雑多に入っていたセットやオカッパリのタチウオ仕掛けセットにテンヤも入っているような何でもセットを落札し、純栄丸さん指定の40号だけ抜き出したら上記のような内容になった。
黒いヘッドが無かったので右上から2番目のダイワのテンヤのみ店舗で購入。
釣具屋でテンヤの値段を見ていると、ほとんどが500~700円程度。
な~んだ、意外とお安いのね、と思っていたら、ひとつだけとんでもないお値段のものが…
え、マジですか。
ハヤブサの船太刀魚テンヤTGというお品。
2個も持ってるじゃないですか…。
確か、ヤフオクでものの3,000円程度で落札したセットに入っていたテンヤなのに…まさかの2つで1万円超え…。
う~ん、ヤフオク、たまにお買い得すぎて怖いよ…。
とはいえ、この高級テンヤ、実際に使ってみると他のテンヤとシルエットが違いすぎて潮受けが変わってしまいオマツリの原因になるためキツい2枚潮の時には使えない。
乗合船では素直な潮の場合のみ使用可能といえそう。
ともあれ初心者は500円台のテンヤで十分。4つ買っても3,000円はしないはずである。
④エサ
これは船宿によって違うと思うが、純栄丸さんでは10匹入りの冷凍イワシを2パック無料で配ってくれる。
小生は2パックで十分であったが、もう少し手返しが早い人やよく釣れている日は足らなくなる可能性もある。
追加は300円で購入可能だが、これも船宿さんによって違うので事前確認が必要。
さていかがであっただろうか。
読者諸兄が仮にタコやガシラ狙いの船釣りタックルを持っているとしたらタチウオテンヤのハードルはグッと低くなるはずである。
タコやガシラも楽しいが、タチウオもとても面白い狙い物。
少し買い足せば楽しめる釣りだから是非とも挑戦あれ。
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